パソコンを使う理由の一つに文書の作成があります。文書にもいろいろあって、仕事に使う書類や情報発信のための記事、イベントのチラシとか、日記を書くとか。まとまった文書でなくても、色々なサービスやソフトを使う時に、文字(文章)で入力することは結構あります。
そういう日本語の文書を作るために、ワードプロセッサ(日本語ワードプロセッサ)があります。よく知られているのは、マイクロソフト・オフィスのワード(Word)ですね。
ワードプロセッサを使うというのは、パソコンが一般に普及し始めた1980年代からずっとパソコン利用の理由の一番目にあった、と言っても間違いではありません。当時のパソコンはワープロするか、ゲームするか・・・私のようなオタクがプログラムを書いて動かすか(苦笑)という3択だったと言ってもいい。
それで”使える”ワープロソフトがいくつか出てきた。
仕事や勉強にまともに使えると思ったのは、まずは管理工学研究所の「松」です。大学の研究室ではこれを使っていました。シンプルで高機能、素晴らしかった。でも、お値段が当時で12万円くらいだったかと思います。個人ではとても買えないと思った。
次に出てきたのがジャストシステムの「一太郎」です。前に紹介した日本語変換システム「ATOK」を引っさげて登場。このATOKは一太郎だけでなくて、他のアプリ(ソフト)でも日本語入力機能として動く。感動ものでした。素晴らしすぎる。しかも松よりは安い。5万円くらいだったでしょうかねぇ・・・。
その頃、マイクロソフトは英文ワープロのワード(Word)を展開していました。うろ覚えですが、WordでもATOKは動いたはずで、ということはワードでも日本語入力できるからワープロとしては使える。でも当時、ワードは英文ワードプロセッサでした。日本語の文章作りとは必要な機能が違うのです。
日本語で作文するのに、原稿用紙(400字詰め)を使って書いたりするじゃないですか。1行が20文字。20行で一枚。そういうイメージと違う訳です。ワードではそうは考えない。英文は単語が基本ですから。文字数とかでなくて、文末がきれいに揃ってなくてもあまり頓着ない。(結果的に、今の日本語ワードプロセッサも、そういうふうになりましたが)
当時は、単機能の「日本語ワードプロセッサ」製品が山ほど出ている時代でしたので、パソコンのワープロもそういうのが必要で、松や一太郎が主力だった訳です。
詳細ははしょりますが、そういう状況の中で、マイクロソフトは「オフィス・ソフト」を強力に展開しました。その主力はエクセル(Excel)です。エクセルは表計算ソフト(スプレッドシートともいいます)です。これも、エクセル以前にいくつかあった表計算ソフトを駆逐してデファクトスタンダート(”事実上の標準”)になったのです。表計算ソフトの記事でお話しますね。
マイクロソフトの戦略は見事でした。オフィス・ソフトとして、仕事で使う(当然、勉強にも使える)基本的なアプリケーションソフトをまとめて投入した。言うならばセット販売、抱き合わせ販売です(^o^;
その主力が、まずはエクセルで次がワード。これに続く製品として、今ならパワーポイント(PowerPoint:プレゼンテーションソフト)ですが、ちょっと前までだとアクセス(Access:データベースソフト)でしょうか。”ついでに”、アウトルック(Outlook:メールソフト)もついてます・・・。
ワープロソフトで「ワード」がいいかと言うとそうでもないなぁ・・・と思っていたけれど、「エクセル」があるからマイクロソフト・オフィスだ・・・となって、そうするとなんだかんだワードを使うのです。
松はずいぶん昔に駆逐され、一太郎も結局は使わなくなり、ワープロと言えばワード・・・になりました。それもエクセルがあってのことです。(実はエクセルのライバル、ロータス123がエクセルに駆逐されたのがその大きな理由です)
そういったワープロ(または、オフィス・ソフト)の栄枯盛衰の歴史の一つの結果が現在、仕事で使うならマイクロソフト・オフィス(Excel、Word、PowerPointなど)になった。
その牙城を崩そうとしているのが、グーグル・アプリです。グーグル・アプリの主力ソフトは
- ドキュメント(Google Document):ワープロ
- スプレッドシート(Google SpreadSheet):表計算ソフト
- スライド(Google Slide) :プレゼンテーションソフト
- キープ(Google Keep):カード型メモ
- ジーメール(Gmail):メールソフト
- カレンダー(Calender):スケジュールソフト
- ミート(Google Meet):Web会議システム
などなど
です。前置きが長くなりました。まずはグーグル・アプリのドキュメント(Document)を使いましょう。
(続きます)
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