「必要は発明の母」でしたっけ?
自由にコンピュータを使いたい。こんな面白いものはない。だけれども、課金システムやら、オペレータへの依頼やら何だか面倒なんだよね。
他人に何をしているか、知られちゃうと、やりたいこともやれないじゃない。男の子だったら分かるよね。
ということで、コンピュータの先達たちは、大型コンピュータを嫌い、新しいコンピュータとOSを必要としていたのです。
まずはそもそも、大型コンピュータのFORTRAN(フォートラン:科学計算用プログラミング言語)は嫌だった。
だって、全部、大文字(アルファベットの大文字)で書くんだよ。読みにくいじゃない。
しかも、プログラムを書く時に制御構造は、制御をどこかに飛ばすGOTO(ゴートゥー)しかないのですよ。繰り返しとか条件分岐とか、みんなGOTOでやるんだよ。
嫌だなぁ・・・
とか、きっと思っていたのです。
それで、彼らがまずやったのは、FORTRANをもう少しまともなプログラミング言語にすること。まあ、端から作り直すのはちょっと・・・ということで、Ratfor(ラットフォー:Rational Fortran)というのを作った。
Rational(合理的)というだけあって、制御構造の3要素をちゃんと持っています。小文字で書けるし、1行は80文字までだよとかいう制限も無い。
これはFORTRANコンパイラのプリプロセッサです。プリプロセッサは「前もって処理するもの」というくらいの意味で、Rational Fortranの文法に沿ってプログラムを書くと、プリプロセッサがFORTRANコンパイラ用のプログラムに書き直してくれて、既存のコンパイラで処理できる。
うまいこと考えたものですね。
これだったら、最初からRational Fortranコンパイラを作らなくても、プログラムの変換をしてくれるプログラムを作るくらいで良いので、ちょっと簡単に済む。
それで中型コンピュータで使った。はい、ちょっと前進。満足感と達成感がアップしました。
でも、まだ欲望は尽きない。OSも新しいのにしなくちゃ・・・
ということで、UNIX(ユニックス)を創った。更にプログラミング言語C(シー)を創った。
全てはそこから始まります。1970年代のことです。
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