大型コンピュータと課金システム
課金システムというのは、利用者がコンピュータを使う時にお金を払う、ということです。
実際に「お金」を要求されるかどうかは、コンピュータを持っている組織の方針によりますが、例えば私が大学生の時の話をすると、大型コンピュータ利用のために「100ポイント」前もってもらうわけです。
それでコンピュータの端末がある教室に行って、何かの処理をする。プログラムを書いて、動かすと思って下さい。ちなみにコンピュータの端末とは、こんなようなものです。
ダム端末と言います。パソコンみたいでしょう。でも、これ自身はコンピュータの入出力装置でしかなくて、ケーブルでつながっていて、どこかに大型コンピュータがあるのです。
それで利用者はここから大型コンピュータを操作するのですが(TSS方式で使います)、処理をすると前もって付与されていたポイントから幾らかが引かれるのです。それを使い切ったら使えなくなってしまう。ポイントはお金のようなものですね。
それが課金システムです。
持っているポイント(お金)を意識して使わなくてはいけないので、ちょっと窮屈ですね。大型コンピュータを使うということはそういうことなんです。一人の利用者が好き勝手に使うには、とてつもなく高価で巨大なシステムですから、みんなで使う時に制限が設けられているということです。
さて、大型コンピュータよりも少し規模の小さい「中型コンピュータ」もありました。大型コンピュータはあまりに高価なので、もう少し規模の小さい廉価のものを(規模の少し小さい)中堅企業が使ったと思って下さい。
大型コンピュータと使い方が少々異なるものもありましたが、規模とコストの差があるという違いだけで本質的には同じです。
後にUNIX(ユニックス)を創り出す研究者の皆さんは中型コンピュータを使っていたみたいです。うろ覚えですので、違うかもしれません。
利用方式に厳格な制限のある大型コンピュータでは色々不便だったのが、中型コンピュータは多少は使い方が緩かったのでしょう。彼らがいたのが、研究機関や大学だったからということもあるかもしれません。
でもこの事実は重要だったと私は思います。「自由」を求めたコンピュータの先駆者たちが、それができる環境にあったということで、コンピュータ・ソフトの歴史は劇的に発展します。
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