経済をどう考える(2):「景気が良い」っていうことはどういう事?・・・TVでは”雰囲気”で言ってますよね・・・それで良いの?

経済の話って、うちの家族からすると専門からハズレています。学校で経済学を学んでいる(学んだ)という人はいません。
更に言えば、身近でもあまり聞きません。それでつまり、”経済学”については私たちは「素人」ばかりなのです。

・・・にも関わらず、敢えてここで経済の話をしているのは、素人でもこのくらいを知っていたら、いつか何処かで役に立つだろうという気持ちからです。そういう気持ちで子どもたちに話を始めたのです。

そういう事ですから、ここでの話は、つまりはダイジェストなのです。
いわゆるところの「経済学」にまで踏み込んでいちいち解説しているわけではありません。私は、大学とかで経済学を学んでいませんから、おこがましくて経済学の話はできません。

でも「経済」の話はできると思っています。家族に話すような内容の「経済」のことはね。そもそも私は60歳程になるまで、経済について正しく分かっていなかったのです。通り一遍の知識の欠片(かけら)で「知っていると思い込んで」いた。ところがそうでないという事がようやくこの歳になって分かったのです。

それで家族には伝えておかなくてはならないと、そう思ったわけです。

「これが大事」だと知っていることは、伝えておかなくてはいけない・・・
でも、これを知っていれば何かの判断に役に立つかな・・・というくらいのものです。学問と呼べるようなものではありません。

その程度の理解でよいものについて、長時間の勉強をするのは(させるのは)、イマイチ時間がもったいないでしょ。だから、ここに書いた記事くらいのをちょっと読んで理解しておけばいいのじゃないかな、という程度の解説をします。

つまりこれは「あんちょこ」です(笑)。

ところで、「日本は果たして景気は良いのか、それとも悪いのか」・・・実は、この話を最初に家族にしたのは、2020年の1月です。つまり、コロナ禍の前のことです。

(新型コロナウィルス騒ぎが2020年2月以降に降って湧いて、日本の景気の話も泥沼にはまり込みましたから、そこをどう考えるか・・・という問題はとりあえず置いておきます。ここでは経済の見方の話をしているので、”コロナ禍”はちょっと横において進めます)

改めて言えば、その頃、つまり2020年初頭に政府が発表していた景気動向を一言で言えば「ゆるやかに回復を続けている」です。ここで、少々微妙な言いようもあって、場合によっては「少し下方修正しようかな」・・・とかいう話も出てきたりしていました。

つまり、はっきりしない。

私は当時、会社勤めで管理部門に所属していて、総務とか経営企画の責任者をしていましたので、月毎の「定例報告」原稿というものを作るのです。この定例報告というのは社長名で出すものです。そこに非常に簡単にですが、景気の話を書いていました。

社外秘のものだから、もちろんその内容は見せられないのですが、2019年12月の原稿には、次のようなことを書きました。

「・・・なかなかこの状況から一歩を踏み出すのに時間が掛かっていますが、国内景気も回復基調の状態を維持していると政府が発表する一方、民間の調査・研究機関では景気動向指数から読み取れる判断としては「後退」しているとする向きもあって先行き不透明のままです。特に製造業、輸出については明らかな悪化を示しているのは注意が必要と思われます。・・・」

ということで、ここで当時の日本政府は何を言っているかと言えば、
「景気は・・・う〜ん、少しずつだけれど・・・う〜ん、う〜・・・良くね、まあ、良くなっているのです。はい、景気回復!デフレ脱却!に向かっては、いるのです・・・」
というようなことを言っているわけです。

これ分かります?

つまり、何を言っているのか・・・はっきりしない。

でも、「景気回復」という言葉は使いたいし、使っているのです。それで、これ、ずっと言ってる。以前からずっと・・・どのくらいでしょうね・・・アベノミクスを始めた頃からでしょうか・・・ということは、2012年くらいですね。2020年時点だと8年くらいですね。

ちまたでは、当時、景気は「いざなぎ景気超え」だとか言っていました。すごく景気がよいように聞こえますね。ただ、これは「期間」が「超えた」ということなんですけれどね。

おおよそ政府が世の中に言いたかったのは、アベノミクスが成功して経済は良い方向に行っている、ということなんですね。
日本政府曰く「アベノミクスは・・・成功・・・に向かっている・・・多分・・・」
(これ、だんだん、声が小さくなっていくと思って下さい)

本当に分かりにくい。

さて、そもそも景気という一見あやふやな情報(?)は、何を元に判断すればよいのでしょう。
基本的に景気の判断とはこれだよ・・・と思っておけばいいことを教えましょう。

実は景気は、いろいろな統計数値を見て「全体的に」良いか悪いかを判断しています。判断の考え方は次の2つです。
・出てきた数値(データ)が「良い数値」か「悪い数値」か
・悪い数値だったとしても、改善がされて「良い方向」に向かっているか、そうではないか

これに関して内閣府が指標を2つ出していますので、覚えておくとよいです。
この指標についての解説は
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di3.html
ですが、読んでも難しくて分かりませんから、眺めるだけでよいでしょう。

景気動向指数というものがあります。2つあって、

  • コンポジット・インデックス(CI)
  • ディフュージョン・インデックス(DI)

です。簡単に説明しますと、

①コンポジット・インデックス(CI) 
これは9つの分野で総合的にみた経済の状況を表しています。9つの分野というのは、内閣府の情報から引用すると(【考え方】幅広い経済部門 )
(1)生産 (2)在庫 (3)投資 (4)雇用 (5)消費 (6)企業経営 (7)金融 (8)物価 (9)サービス
だと書いてあります。

この9つの分野のうち過半数が「良い数値」を示すと、「景気は良い」ということになります。数値はどうやって出しているの?とかは・・・とりあえず知らなくていいと思います。

②ディフュージョン・インデックス(DI)
これはいろいろな分野での経済指標を時系列で見るのだそうです。それで3ヶ月前の値と比べて良くなっているのか、変わらない(横ばい)のか、悪くなっているのか・・・を考えます。
良くなっているのが半分以上あると、景気は「良い方向に動いている」と判断します。

はい、それで2019年10月に消費増税をした後、11月に出た景気動向指数は・・・
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/201911psummary.pdf
これです。内閣府が出しました。
「おいおい、景気悪くなってるじゃん。下降って書いてるじゃないの。」というのが私の見方です。長期での数値も内閣府が出していますが、それを見ますとね・・・ここのところDIも下がっていたりします。

元データが表(Excel形式)になっていますが、面倒だから見なくてよいです。
そんな数値をわざわざ見なくても、誰かがグラフにしてくれるから、Googleで検索したら出てきます。

それで、
誰が言ったの?「景気は緩やかに回復している」って。
誰が言ったの?「消費増税は景気に悪影響のないように万全を期すから・・・大丈夫だって」

ウソでしたね。
これからも注意しましょう。「今、景気が良いの?」って思ったら、見るのはCIDIですからね。
内閣府(政府)がちゃんと出してくれています。素晴らしい。それを見て下さい。

今回は「景気の見方」でした。

(続きます)

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