CUIでファイルシステムを扱う時には、カレントディレクトリを意識する必要があると、以前の記事で話しました。
カレントディレクトリというのは、”今いる”ディレクトリであり、”今見ている”ディレクトリのことです。これをワーキングディレクトリ(working directory)ということもあります。
Linuxのファイルシステムは論理的な階層構造をしていますから、階層構造の中のどの位置がカレントディレクトリかを意識して作業しなければいけません。
前の記事で見せた階層構造のサンプル図を見て下さい。
今、カレントディレクトリをuser01とします。コマンドプロンプトに
ls
と打つと、
file001.another
という結果が表示されます。
ls コマンドは、オプションを省略するとカレントディレクトリのファイルとディレクトリを表示します。
カレントディレクトリがどこなのかを知らないと、lsコマンドはあまり意味を持ちません。眼の前のファイルとディレクトリが何かは分かりますが、ファイルシステム全体をイメージすることができないからです。
そして、カレントディレクトリはどこなのか?を知るコマンドが pwd コマンドです。
pwd [オプション]
オプションには、-L と -P があります。これはシンボリックリンクが使われている場合に意味のあるオプションですが、ここでは詳細は省略します。(必要が出てきたら調べてみて下さい)
ちなみに、pwd の意味は・・・”print working directory ” です。
上の例のように、カレントディレクトリがuser01の時にコマンドプロンプトで、
pwd
を実行すると、
/home/user01
が結果として返されます。
私の経験上、まずpwdによってファイルシステム上の場所(カレントディレクトリ)をまず確認し、ls によってカレントディレクトリ内のファイルとディレクトリを表示する・・・ことが全ての基本になります。
MS-DOSでは、cdコマンドをオプション無しで使用するとカレントディレクトリを表示してくれましたが、Linuxでは pwdコマンドを使うと覚えて下さい。
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